「森」の中のビアフェス、クラフトビアフォレスト2019にいってみたい!

text&photo 増茂希実(Ten to Ten sapporo station スタッフ)

 

暑い夏が近づいてくると、外でビールを飲みたくなります。それが旅先ならなおさら。旅人のみなさん、ビールはお好きですか?

まずは自分のことを少し。ビール好きの両親のもとに生まれましたが、元々ビールは苦手な私。初めて飲んだ時の強烈な苦味を思い出します。そんな私がビール好きになったのは、オーストラリア留学がきっかけでした。オーストラリアはビール大国でもあり、とにかくみんなビールが大好き!そこで様々なスタイルのビールがあることを知り、好みを探して色々な種類のビールを飲みあさりました。

まだまだビールビギナーな私ですが、Ten to Tenに通うビール好きの方から「札幌に面白いビールのイベントがあるよ」とお聞きし、ビールの魅力をもっと知りたい!そして北海道を訪れる旅人の皆さんにも知ってもらいたい!という思いで記事を書くことにしました。美味しいビールがみなさんの夏の思い出をより一層彩りますように…!

 

さて、短い夏が始まった札幌では「ビアガーデン」と呼ばれるイベントがあちらこちらで始まります。みなさんの住んでいる場所にも「ビアガーデン」はありますか?キンキンに冷えたビールをビルの屋上でぐびぐび。ビール会社主催のイベントでぐびぐび。冷たいビールが喉を通る。もう止まりません…!!

札幌の大通公園で行われている「福祉協賛 さっぽろ大通ビアガーデン」は、なんと日本最大規模!札幌駅から徒歩10分の大通公園(5~11丁目)に約13000席を用意、大手ビール会社4社をはじめとして6つの会場で開催されています。今年は7月19日(金)~8月14日(水)まで。

街の中で行われる大規模ビアガーデンがある一方、なんと札幌には「森」の中で開催される手作りのビアフェスまであるんです。「都市と自然がすぐ近く」という札幌のもつ魅力そのまま。今回はその森の中のビアフェスを紹介しちゃいます!

 

札幌中心部から20分でアクセス可能な森のビアフェスとは?

森といっても実は札幌の中心部から車でわずか20分。ここが札幌のすごいところ!「さっぽろばんけいスキー場」という大自然に囲まれた会場で今週7月6日(土)&7日(日)、7回目となるビアフェス、「Sapporo Craft Beer Forest」が開催されます。日本で最近よく耳にする「クラフトビール」という単語、皆さんもご存知かもしれません。個性豊かなビールを、近くにコンビニもない、森の中というロケーションで飲める、そんな魅力的なイベントです。

今回お話をお伺いしたのが実行委員の1人、ビールとウイスキーの専門店「モルトヘッズ」のオーナー、坂巻紀久雄氏です。お店は南3条西8丁目7 大洋ビルの地下1階。開店前の時間にインタビューを快く引き受けてくださいました。
こちらのお店にお伺いするのも初めてな私。ビルの地下に下がっていくと…、

なんだか隠れ家のよう。

ドキドキしながら扉を開けます。

たくさんの瓶ビール!木のぬくもりを感じる店内の雰囲気。

 

こんにちは!こちらが今回お話をお伺いしました、モルトヘッズのオーナー、坂巻紀久雄さんです。

「森」の中のビアフェスのことは以前から知っていましたが、まだ行ったことがなく具体的なイメージがない状態。ということでどんなお話を聞けるのか、ワクワクした気持ちでインタビュースタートです!

 

面白いビアフェスのはじまり

Sapporo Craft Beer Forest(以下、「フォレスト」)を主催する実行委員会を構成するのは、北海道のクラフトビールを引っ張るBeer Bar NORTHISLANDCider Beer Kalahana月と太陽BREWINGBIA HOI カタコト、そしてBeer+Malt Whisky Maltheads。実はこの5店舗、札幌のビール好きなら「そうそうたる面々だ!」と驚くほどの顔ぶれなのです。

 

ー実行委員会の方は元々どのようなきっかけで集まったのですか?

「2010年頃にやってきたクラフトビールブームのときにビアフェスというものが全国各地で開催されていて、でもなぜか札幌では誰も始めていない、じゃあ自分たちでやろう、と自然発生的にビアバーのみんなが集まって1回やってみたのが始まりです。」

ーおお~なるほど。なんだか運命的であり、必然的な、そんな感じがしますね。第1回目はいつだったんでしょうか?

「最初は2013年の秋でした。5店が出店して、各店が100人集めれば500人、そういう算段で始めたんです。それでやってみたら倍の1200人も来ていただけたんです。もう少し大きな規模でやろうということで2回目を半年後の7月に開催。そこからは夏のイベントとなりました。」

ーお客さんもすっかりフォレストのファンになってしまったということですね。ちなみに去年はどれくらい人が入ったんですか?

「約6000人です。多くの方に集まっていただきました。」

ー去年は何店舗参加されたんですか?

「去年は26ブルワリーです。今年も去年とほぼ変わらない予定です。近日発表予定です。※」
※取材当時は発表されていませんでしたが、現在はホームページ上で発表されております!こちらをご覧ください。

http://www.sapporo-craft-beer-forest.com/#brewery

やっぱりこのビアフェス面白そう…!お話をお伺いしていくうちにモルトヘッズの坂巻さんへの興味も沸々とわいてきてしまった私。

 

日本ビール検定1級合格、ビアテイスターの資格をお持ちの坂巻さん
ビールの世界に入る前は…?

日本ビール検定(愛称びあけん)はビールの歴史や製法、原料や飲み方など幅広い知識を問われるビールの検定です。2012年から毎年実施されており、1級の合格率は1桁台の超難関検定。そんな検定の1級に2年連続合格(2013〜4年。当時全国で2名のみ)されていらっしゃる坂巻さん。

そんな坂巻さんがビールの世界に入ったきっかけはなんだったのでしょう。

 

ー坂巻さんはずっとビールに携わるお仕事をされていらっしゃったんですか?

「全然。前の仕事はプログラマーでした。ビールの仕事は札幌に来てからです。東京生まれ、東京育ちなんですよ。向こうで自分の兄が家の近くのウイスキーのお店に連れて行ってくれたんです。今のウイスキーブームのだいぶ前の1997年頃です。日本のウイスキーは冬の時代で、スコッチウイスキーもまだ一部の人にしか人気がなかったのでその分安くいいものをいっぱい飲めたんですね。」

 

ービールよりもウイスキーを先にお好きになられたんですか?

「そうです、実はウイスキーが先です。ウイスキーについてもっと知りたいと思い、『そういう資格ないんですか』と通っていたバーのマスターに聞いてみたんです。そしたら『そういうのはないんですけどビアテイスターっていうのが今話題になっているみたいですよ』と教えていただいて、ビールに興味を持ち始めました。ビアテイスターについて調べてみると、当時すでに日本のビアバーとして有名だった両国の『ポパイ』という地ビールブームの中心的存在なお店がたまたま家の近所にあったので行ってみたんです。そのままビールにハマり、それからビアテイスターという資格をとりました。」

 

ー先ほど札幌に来てからビールの仕事を始められたとおっしゃっていましたが、いつ札幌にいらしたんですか?

「1999年の暮れです。ちょうど札幌は『地ビールブーム』のピークでしたので、ビアテイスターの資格を活かした仕事をすることができました。地ビールをたくさん扱っているお店に雇っていただいて、実はそれが飲食店デビューでした。30歳の時です。」

 

麦芽(モルト)のことで頭(ヘッズ)がいっぱいなお酒好きのためのお店

ー初めてお店に入った時から思っていたのですが、モルトヘッズの店内は瓶ビールがいっぱいですね。逆にあまり樽生ビールはおいていらっしゃらないんですか?

樽生ビールは最大3種類。普段は1種類です。今時珍しいですけど、自分が初めて飲み始めたころのビアバーのスタイルなんですよ。先ほどの『ポパイ』も当時瓶ビールがたくさんありました。」

 

ーモルトヘッズには外国のビールもたくさんありますね。

「北海道のビアバーなのでもちろん道産のビールもありますけど、うちはそんなに北海道のビールを!ってスタンスではありません。あくまでもたくさんビールがある中で北海道のビールもありますよという位置づけにしています。それは今大人気のIPA※に関しても同じです。IPAのような流行りのビールだけでなく、それ以外の様々なスタイルを幅広く揃えるようにしています。」
※IPA インディアンペールエールの略称。18世紀末に生まれたビールのスタイルで香りと苦みが強いビール。

 

「せっかくビールに興味を持ってくださった方に自分で枠を作ってほしくないんです。飲みなれていないドイツとかベルギービールに線を引いて、アメリカのクラフトビールしか飲まない。もしくはドイツビール、ベルギービールを好きな人は線を引いてホッピーなものを飲まないとか。せっかくこっち側の面白い世界に入ってきたのだからもっと様々なスタイルのビールを楽しんでいただけたら嬉しいと思っています。

 

「『クラフト』という言葉を耳にされる方が多いと思いますが、『クラフトビールのお店』と自分からは言わないようにしています。うちは単なるビールの専門店、『クラフトビール』 を出しているわけではないんです。今はその言葉が生きていて、みなさんの中にも浸透してきているのでとるメリットがありませんが、いつかはその『クラフトビール』という枠がなくなり『ビール』としてみなさんに楽しんでいただけたらと思っています。」

 

「ビアフェス」ではなく「ビアフォレスト」のわけ

ーなぜ「森の中」というロケーションでやり始めたんですか?

「2013年の時点で全国では多くのビアフェスが開催されてましたが、札幌ではまだでした。『後発』の我々ならではの特色をつけないと魅力がない。そして我々が出した答えは街中じゃない緑の中でやろうということです。街中からもタクシーで20分着く近さで緑がある、それがほかの都市にはない札幌の魅力ですよね。
有名なビアフェスは広告代理店とかイベンターとかに頼らないとできない規模になっていますが、フォレストはそういうのはまだ。まさにクラフト(手作り)のビールイベントです。」

 

ー「森」の中でのビアフェスという最終的なイベントの目標はありますか?

「最初に集まった動機である、我々がやりたいビアフェスを実現することですね。1つ目はマイクロブルワリーの魅力をもっと多くの人に伝えること。当時2013年時点ではあまり伝わっていなく、これからの世界でした。では今伝わっているかというとまだまだと自分は思っています。ビールの楽しさを多くの方に普及する、それがフォレストの1番の大事なミッションですね。未達成であり、まだやる余地がある、それが開催を続けるモチベーションになっています。」

 

「2つ目はみなさんが楽しみにしてくれているからです。お客さんを喜ばせることがわれわれ実行委員本来の仕事ですから。ビールの魅力を知っていただく。なおかつ、もっと楽しんでいただく。それが我々の目指すところです。」

フォレストの面白さの1つとして、作り手であるブルワーの方々と密に交流できることもあげられます。もちろんブルワーの方々だけでなく、ビール好きが集まる一大イベントですので、ビール好きの友人作りにももってこいですね!

 

ー最後に、フォレストにいらっしゃる方々にどう楽しんでもらいたいとお考えですか?

「会場内の ブルワリー全てがクオリティの高いビールを出します。どこを飲んでも『ハズレ』は決してありません。また、ビールを提供している方々は、ボランティアの名札がなければ、製造責任者です。積極的にお話ししてください。新しいビールとの出会いを楽しんでください。

 

坂巻さんのビールに対する熱意、みんなに面白いビールの世界を体験してほしいという気持ち、インタビューの1時間でビシビシ感じました。
1年に2日間しかないこんな面白そうなビアフェス、逃すなんてもったいない!かくいう私もインタビュー後チケット買っちゃいました…!(当日券もありますよ。入場料1000円、ビールチケット1杯500円です。)

 

アクセスの手段は無料直行シャトルバス、路線バス、タクシーとなります。

詳しくはSapporo Craft Beer Forestの公式サイトの「アクセス&会場マップ」をご確認ください。

【モルトヘッズ】

電話/ 011-522-5152

住所/ 北海道札幌市中央区南3条西8丁目7 大洋ビルB1

営業時間/ 18:00~0:00

休/ 不定休(HPでご確認ください)

HP/ https://maltheads.net/

 

【Beer Bar NORTHISLAND】

HP/ https://northislandbeer.jp

 

【Cider Beer Kalahana】

HP/ https://twitter.com/kalahana7

 

【月と太陽BREWING】

HP/ http://moonsunbrewing.com/

 

【BIA HOI カタコト】

HP/ https://www.facebook.com/BIA-HOI-%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%B3%E3%83%88-414765362021685/

LOCATION

WRITER

ゲストライター
ゲストライター

ローカルに暮らすあらゆるジャンルのゲストライターが登場!独自の切り口で、北海道の魅力をあぶりだす。なかなか表に出ないローカル密着の情報が、旅の体験を何倍も豊かにしてくれるはず!